「求人情報はたくさんあるけれど、どうやって絞り込んで良いのかわからない」…そんな転職者の声もよく聞かれます。ここでは、応募先をどのように決めるかについて考えていきましょう。
■業種・職種を絞り込む
「業種」とは、製造業・建設業・金融業・情報通信業など、
その企業が行っている業務の種類のこと。
「職種」は営業職・経理職・事務職・開発職など、
個人が従事する仕事の種類です。
転職の際、志望する業種は1つに絞らなければならないわけではありません。特に業界を絞りすぎると、応募できる企業が減ったり、自分自身の可能性を狭めてしまうことにもつながります。まずはさまざまな業界の情報を集め、興味のある分野をいくつかピックアップしてみましょう。
転職では、一般に
業界知識や職務経験を活かせる職場を選ぶ方が有利と言われますが、必須というわけではありません。求人情報を見ると「未経験可」と書かれた募集も数多く見られます。特に転職者が20代〜30代初めなら、未経験から時間をかけて育成しようという企業は少なくありません。ところが30代半ばを過ぎると、企業が求めるのは「即戦力」がほとんど。未経験の分野への挑戦は厳しくなります。
未経験の業種・職種に応募する場合は、説得力のある志望動機を組み立てることが大切になります。前職で自分は何を得たのか、それを新しい職場でどのように活かせるのか、企業の求めるスキルと、自分の経歴をうまくすりあわせることが重要です。「気になる求人があるけれど、自分のキャリアとどう結びつけていいかわからない」という時は、キャリアアドバイザーに相談してみるのも良いでしょう。
■企業の力を見極める
気になる企業が見つかったら、求人情報サイトや企業のホームページで、「会社概要」の項目を見てみましょう。企業理念や社風、中核となっている事業など、その会社に関する情報がわかります。また、社長や先輩のメッセージなども、会社の方向性や雰囲気を知るために役立ちます。
客観的に見たその企業の経営状況・業界での立ち位置などを知りたい時には、財務データや業績予想などをまとめた「会社四季報」、平均年収・離職率などの情報を集めた「就職四季報」などもチェックしてみると良いでしょう。
■希望条件の優先順位を決める
企業が多すぎて絞りきれない場合は、自分の希望する条件の優先順位をつけましょう。転職先を考える上で重要と思われる項目をおおまかにまとめると、次のようになります。
1. 事業内容・経営方針
企業理念、会社の規模、創業年数など
2. 仕事内容
自分の経験や資格をいかせるか、やりがいはあるか
3. 職場環境
立地・通勤のしやすさ、従業員の平均年齢、職場の雰囲気
4. 会社の制度
資格取得の支援があるか、キャリアアップが可能か、教育体制が整っているか
5. 給与・福利厚生
給与や賞与の額、退職金制度があるか、年間休日数、産休・育休制度など
これらの条件の中で、自分にとって譲れないものは何かを考え、順番をつけてみましょう。それは「転職に何を求めるか」ということにもつながり、志望動機をまとめる際にも役立ちます。
■何社くらいに絞ればいい?
転職における
書類選考の通過率、面接の通過率は、それぞれ25%程度と言われています。単純に計算すると、
16社に応募してやっと1社から内定が得られる、ということになります。これも年代によって異なり、20代〜30代前半は応募社数が少なく、年齢が上がるにつれて応募社数が増える傾向があります。
応募社数が多い場合、複数の企業を比較検討することができ、本当に自分に合った企業を見つけやすくなるというメリットがあります。応募する数が少ないと、転職活動期間が長くなり、焦って最終的に妥協してしまう可能性もあるからです。
ただし、あまり多くの企業に応募すると、面接や採用試験のスケジューリングが大変になります。企業研究や応募書類の作成にも充分な時間がかけられず、結果として本命の企業に力を注げない可能性も出てきます。
自分の転職活動にあてられる時間なども考慮した上で、
応募する企業を適正な数に絞ることも大切です。自分の希望条件を考え合わせ、応募する企業にも優先順位をつけておくと良いでしょう。
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