■「書類作成」の能力も見られている!
自分のキャリアを振り返り、自己分析ができたら、いよいよ職務経歴書の作成に取りかかりましょう。履歴書と違って、職務経歴書には決まったフォーマットがありません。どんな形式・内容で書くかはあなた次第。それはすなわち、
「わかりやすい文書を作成できるか」という能力もチェックされる、ということでもあるのです。まずは基本をしっかり押さえて、「読み手に伝わりやすい書類作成」を心がけましょう。
【注意すべき点】
●文字の大きさやフォントは適切か
●「見出しを立てる」「表組みにする」など、読みやすくする工夫がなされているか
●簡潔でわかりやすい文章が書けているか
■分量・書き方は?
A4サイズ1〜2枚にまとめるのが適切です。転職回数の多い人でも、3枚以上になると分量が多く読みづらい印象を与えるので、あまり好ましくありません。特にアピールしたい内容以外は簡潔にまとめ、2枚以内に収めるようにしましょう。
また、採用担当者の読みやすさを考えると、手書きよりもパソコンで作成したものの方が好まれるようです。作成する側にとっても、修正がしやすく、他の企業に応募するときに変更して使うこともできるので、パソコンで作っておくのが便利です。
まとめ方としては、新卒入社から現在までの流れを時系列に沿って記載していく
「編年体方式」が一般的です。40代などキャリアの長い人の場合は、直近の経歴から遡っていく
「逆編年体方式」というやり方もあります。また、転職回数が多い人やさまざまな業種・職種の経験がある人には、特にアピールしたい内容を中心に書き、後は簡潔にまとめる
「キャリア式」もおすすめです。
ここでは最も一般的な「編年体」での書き方を、サンプルを見ながら解説していきましょう。
■サンプルに学ぶ!「職務経歴書」の書き方
まず、前項
「職務経歴書」作成の準備でまとめた
「自分の経歴」「ポータブルスキル」「転職におけるWILL・CAN・MUST」を見直してみましょう。この内容をもとに、職務経歴書の形式に合うよう落とし込んでいきます。
①表題
書類の中央に、「職務経歴書」とやや大きめの文字で書きます。
②日付・氏名
提出する日付で「○年○月○日現在」と書き、その下に自分の氏名を書きます。
③職務要約
最初に100〜200字程度で、自分のこれまでのキャリアを簡潔にまとめます。どんな会社で、どれくらいの期間、どんな仕事をしてきたのか、書類全体の「あらすじ」を書くつもりでまとめましょう。
④会社概要
在籍した会社の事業内容、資本金、売上高、従業員数など、客観的な情報を最初にまとめておきましょう。採用側が前職をイメージしやすくなります。
⑤業務内容
在職期間・所属部署・役職・自分が行った業務の内容をまとめます。ここで、前項で洗い出した
「自分の経歴」が役に立ちます。書き出した内容全てを盛り込む必要はありませんが、特に志望先の企業で役立ちそうな経験は目を留めてもらえるようしっかりアピールしましょう。
表組みにしたり、項目を立てて箇条書きにするなどすると見栄えも良く、読みやすくなります。異動・昇進などを経験した場合は、所属部署ごとに項目をわけると良いでしょう。
業務内容や実績は、
数値や根拠を挙げて具体的に書きましょう。だらだら長い印象を与えないよう、簡潔にまとめることが大切です。
⑥活かせる経験・知識・技術
前項でピックアップした
「ポータブルスキル」の中から、志望先に役立ちそうなものを中心に、具体例を挙げながらアピールしましょう。これまでの仕事を通して得られた経験や知識、それによってどんな成果が上げられたか、志望先の企業でどのように活かせるかをまとめます。いくつかの項目に分け、
箇条書きにすると良いでしょう。
注意したいのは、志望先企業に関係のないものを書かないこと。逆に「うちの仕事をわかってないな」と思われることにつながります。
⑦資格
履歴書に記載していることが多いですが、志望先で役立ちそうなものであれば、ここでしっかりアピールしておくのも良いでしょう。
⑧自己PR
前項でまとめた
「WILL・CAN・MUST」をもとに、転職してどんな自分になりたいのか、どのように志望先に貢献できるのかをアピールします。「○○ができます」「○○の経験を□□で活かせます」など、歯切れの良い言葉で言い切りましょう。自己PRの場ですから、謙遜は不要です。
また、希望する部署や仕事がある場合なども、ここで伝えておくとよいでしょう。ここまでで書けなかった退職理由や転職を決めた動機などを記載しておくこともできます。
⑨結句
最後に右詰めで「以上」と書きます。
それでは、さっそく書いてみましょう!
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■第三者に添削してもらう
書き上げたら、自分で読み返すだけでなく、第三者の目でチェックしてもらいましょう。誤字・脱字があったり、一般的でない専門用語を使っていたり、アピールポイントを書き漏らしていたり、意外なミスに気づいてもらえることもあります。転職エージェントには応募書類の添削をしてくれるサービスもあります。
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